Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

かれらの、仲間心理にいわせれば、

(ナニ、真人間へ。それやア誰だって、考えねえ馬鹿はあるもんか。だがいまさら、てめえひとりで、いい子になろうったって、そうはゆかねえ。虫がよすぎらあな)

そういうにちがいないのである。

その夜――

この秋を、書に親しんで、燈下しずかに、過去の非を心から洗っていた市十郎の書斎へ忍びこみ、眼ざしすごく、四隣のしじまを憚りながら、ささやき寄って来た従兄の亀次郎の姿にも、そんな考え方が宿っていた。

「ふん、勉強か、於市。……ええ、おい。いやに学者ぶッて、なにを読んでるんだい」

と、亀次郎は、縁がわから身伸びして、市十郎の倚っている机の上をのぞきこみ、

「なアんだ、論語か。いまさら、論語でもあるめえに、子曰クなんて寝言をおさらいして、どうする気だい。自体、孔子なんて野郎は、正直者を食いものにする大嘘つきのいかさま師だ。何より証拠は、世の中を見ろ。どこに孔子のいッてる“道”なんてものがある?」

日ごろ憎悪する相手にめぐりあって、いきなりその面の皮へツバしてかかるように、彼は罵り出した。

「孔子だの、釈迦だの、法然だの、どいつもみんな、鹿爪らしい嘘ッ八の問屋じゃねえか。