Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
「法に殉じ、あの奉行に殉じるのだ。悔いはない、よくやったなあ。……して、左右太は」
「あとからお袖を引ッ立てて来る」
「では、すぐこれへ来るか。これや、あわただしい」
「おれは、お奉行のお部屋へ、仔細を申し上げにゆく。左右太が着くまでに、手順をたのむぞ」
義平太は、さらに、長い廊下をあるいて、奥へ通った。
「義平太にござります。お眼ざめでございましょうか」
室外に、膝をついて、越前守の答えを待った。
勘蔵がいっていたとおり、中では、話し声がする。それも、めったに聞かれないほどな越前守の笑い声と、誰やら、対坐している客との、無遠慮な哄笑だった。
義平太はふと、氷のような気をくだかれた。はりつめていた胸の感傷を、その余りにも楽しげな主客の笑い声に、思わず、戸惑いさせられた。
「お奉行さま。義平太です。いま戻りましてござりまする。おさしつかえなくば、火急、お耳に入れたい儀がございますが」
「お。義平太か……」と、やっと気づいたような越前守の声が、すぐ、内からいった。
「かまわぬ。はいれ……」
老師と一弟子
義平太は、室内へはいって、まず越前守の方へ、両手をつかえ、
「深夜ではございますが、かねてお申し付けの者を召捕りましたので、即刻、お耳にまで……」