Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

私がこうなるのも、法のお裁きではないでしょうが、天道のお裁きです。

けれど、病児の愛のために、たッた一羽の燕を吹矢で射たばかりの、私たち両親の非業な罪死が、そのときの幼い姉妹の一生にまで、こんなに祟り廻さなくてもよさそうなものではございませんか。

私は、たれも人には、恨み人はございません。けれど、そんな天道を恨みます。

さいごのお願いです。

実の妹の、お袖を助けてやってください。あれも牢舎と聞きましたから、どうせ無罪にはできないでしょう。けれど、私の遺骸に、お袖の名を着せ、お袖は牢死したものとして、世間から隠してください。

あなた様の、おん為にも。

くわしくは、お次より、山本さまに、一切をおはなしするように頼んで、せめては、一代のいたずら女の成れの果てに、自ら一つのなぐさめとして、この世をおいとましまする……。

「読んだか。越前どの」

「読みました。これは、お手元に、お預りおきを」

「供養してやろう」と、鉄淵は、ふところに納めて、

「……わしの用はすんだ。では、心おきなく、行ったがいい」

身を退くと、待っていたように、市川楽翁が、前へ出て別れを述べた。

「お奉行。