Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

「屋敷? どこだ、てめえ達の巣は」

「それだけは、訊かないでくれ。きっと、持ってくる。……市の字。すまないが、おまえだけ、残っていてくれ。おれはちょっと、屋敷へ行って、用人に金を工面させてくる。午までには、きっと帰るからな。――赤螺殿、この友人は、さる大身の子息で、遊びの道はまだ初心な若殿。どうぞ、この方の身を質として、わしを出してくれないか」

「きっと、午までには、持ってくるか」

「必ず、持参します。――じゃあ、市の字、淋しかろうが、暫くひとりで」

と、大亀は、その軽い舌先と、変に応じて弱くもなる物腰とで、さすがの赤螺三平をも煙に巻き、支度もそこそこ、朝飯前に往来へ飛び出してしまった。

「こう天気はいいし、朝ッぱらからでは、何とも、金に巡り会いようがねえ」

悪心も、途方にくれた。十月末の清澄な昼。くまなき太陽。かれの悪智も、働き出るすきがない。

「そうだ、梅賀の家へ行って、お袖の小費をゆたぶッてやろう。市の字を連れて来てやるといやあ、質をおいても、三両や五両は――」

ぶらりと、彼はあれ以来の、梅賀の家をのぞいた。

子どもの泣き声が聞える。お燕だな――と思いながら、土間へはいって、裏の川まで見通しの奥を覗き、