Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

一徹者の小堀平治の声、取次も待たずに、凛々と縁側から響きます。

「うむ」

障子を開けさして、立ち出でる英山公の足元に、大輪の花のように崩折れたのは、日頃目を掛けて使って居る腰元のお園、

「…………」

英山公もさすがに驚きました。

「信長公より御先租が拝領の御品、代々の殿にも、幾年に一度も御覧にならぬほどのものを、腰元風情が盗み出すとは容易ならぬこと、諸人への見せしめ、一刀の下にお斬り捨下さるよう、小堀平治確と御願申し上げます」

責任者だけに、恐ろしい鼻息、日頃この娘姿を可憐と見て居る英山公も、斯う大袈裟になっては、罪を宥める方法もありません。

「これ、女、面を挙げえ、蘭奢待の名香に手を掛けるには仔細があろう、次第によっては助け取らせないものでもない、遠慮なく申して見よ」

身分柄乍ら老巧な英山公は、この美しい腰元を救う道もがなと、弁解の言葉を聴こうとしましたが、お園は涙に暮れ乍らも、縁側の板敷の上にひれ伏して、一言もありません、なまじ物を言えば、許嫁の夫、丈太郎の罪を発くことになると思ったのでしょう。

「恐れ乍ら、此の様な不心得者にお言葉を下さるのも勿体ない事で御座います。