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Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

ながら落ちて来たからである。

「卑怯者め!」と紋也は叫んだ。がその声は次の瞬間には消えて、細い露路の一所を埋めるようにして礫や丸太や火のついている棒が、うずたかいまでに塊まった。火のついている棒からは焔があがって、丸太のほうへ移って行った。

紋也の姿はどこにもない。お粂の姿も見当たらない。二人はどこへ行ったのであろう? 打ち倒されてしまったのであろうか? 礫や丸太や火のついている棒の、それらの下にいるのであろうか? いやいや二人は別の所にいた。左側に並んでいる私娼宿の壁へ、ピッタリと背中を平めかしてつけて、投げ落とされる丸太や礫や、火のついている棒の災いから、巧みにのがれているのであった。

幸いに負傷もしなかったらしい。

紋也は抜き身を脇構えに構えて、その切っ先をピリつかせながら、いまもなお屋根から投げ落とされて来る、礫や丸太や火のついている棒が、露路へたまるのを睨んでいた。が、紋也は考えた。「ぐずぐずしてはいられない。いよいよきゃつらはこの露路の中で、我々を殺そうとしているらしい。このあんばいで察する時には、次々に彼らは奸策を設けて、二人を進退きわまらせるらしい。