Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
その明月の水で眼を洗えばなるほど眼は清浄であり、眼病はたちまち平癒するように思われた。私は河岸へよせる水に足をつけて眼を洗ったこの美しい行事を今に忘れ得ない。それにしても、よく眼を悪くしなかったことだと思う。この川水こそは大都会の下水道であるのだ。
(「美術新論」昭和五年四月)
地中海の石ころ
去年の夏、南紀の海辺に寝そべった私は、久しぶりで広々とした大洋を眺めることが出来た。寝ていると、私の周囲にはかの石川五右衛門が浜の真砂と称した所のその真砂と共に、黒、白、鼠、半透明、紺、青、だんだら染等の潮にさらされたる滑かにも美しき小石がざらに落ちていた。
私はなぜかくも美しきものを人は指輪に、あるいはネクタイピンに、あるいは帯止めとして使わないのかと思った。しかしながらこう泥棒の種ほどもざらに落ちていると、なるほど拾って指輪にしても、それが浜の石ころとわかればあまり人が羨ましがらないかも知れない。奥様の指の宝石が金魚鉢の中の石と同じものであっては、威張って見ることは出来ないかも知れない。しかしまた本当に美しいものというものは、何も黄金と宝玉に限りもしないだろうとも思われる。