Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
暮している如く説明するものがある、しかし可笑しな話しで、自分の臓腑を生きながら見た人は先ず昔からなかろうと思う。全く自分の持ち物でありながら一生涯お目にかかることの出来ないものは、自分の腹の中の光景であろうと思う。
私は蛙のように自由に臓腑を取り出す事が出来たら如何に便利な事かと思う、そして水道の水で洗濯してちょっとした破れは妻君に縫わせて、もとへ収め込むという風にしたいものだ。
私の胃病は医者の説によると、胃のアトニーというもので、胃の筋肉が無力となって、いつも居眠りをしているのだそうだ。一種のサボタージュだと見ていい、胃がサボタージュを起しているのだから、第一に、食慾が起って来ないのだ、私が学校時代はこの胃が最も猛烈にサボっていたものだ、下宿で食べた朝食は、昼になっても晩になっても、停滞しているのだから堪らない、しかし考え方によると頗る経済でいいともいえるかも知れないが腹はすかなくとも衰弱はどしどしとするから全くやり切れた話しではないのである。
学校の門を出た処に一銭で動く自動計量器があった、私はある日衰弱した体躯をばこの機械の上へ運んだ、そして一銭を投げ込んで驚いた、私は帽子を冠って冬服を着て靴を履いて、手に風呂敷包を持って、肩には絵具箱をかついで、しかして何んとその針は十貫目を指してピタリと止っ