Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
友達は、何心なく、口に出したのかも知れません。が、私には不思議な気がしました。
「兄が、どうかしたのかい?」
「いいや、別段に……どうして?」
「だって君は、さっきから兄のことばかり、気にしてるじゃないか」
「ああ、そうだったけえ……いやいやそいつは失敬したなア。なアに、別段、どうってことはなえんだが! さ、その盃を、干してくれんけえ!」とまた慌てて、話を転じてしまいました。そうして二、三時間も、無駄話を、していたでしょうか? さ、随分長話をしてしまった、ソロソロお暇しようかねと、坐り直した途端、
「そう……そうすると、新さんの見たところじゃ、別段お嫂さんと兄さんの間が、どうというふうにも、見えなえんだな?」
と、口を滑らせた時には、到頭私は、我慢がならなくなりました。
「そ、そうムキになったら困る、何も悪気じゃなえんだよ……困ったのう」
と友達は、当惑しているのです。
「それはわかっている、君の悪気でないことは、よくわかっているが、僕のいうのは悪意とか悪意でないとか、そんなことじゃないんだ。何か兄のことで、君の気になることがあるに違いないと、いってるんだよ。