Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
まあま、この秋には疏けねえでも、年が明けて春にでもなりゃ、花曲輪町あたりから買いに来んともかぎるめえ」
花曲輪町というのはこの町の花柳町なのでございました。ともかく親父が申しますのには、この蒲団を売ってたのは問屋筋でもなんでもなく、芝の露月町とかのごく寂れた、見るからに貧しそうな仲間店の奥に三十二円として飾ってあったのが眼にはいったので、ためしに二十二円まで値を付けてみたのだそうでございます。ところが、向うでもよほどもてあましていたとみえて一も二もなく応じたので、それならばと本腰を据えて、とうとう十八円なにがしまで値切り落としてしまったのだと、こういうことでございました。それでも向うはまだいい顔をして、いよいよ品物を引取る時には、ほっとしたような様子をしていたところを見れば、値切ればまだ、一、二円のところは落ちたかもしれないが、いくら商売だからといっても物には冥利というものがあるからのと、親父は私が店の真ん中に一段高く飾り立てた蒲団を眺め眺め、満足そうにそう言いました。そして、
「これだけの品を飾っておけるようになったんだから越前屋も大したものさな」