Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
で納まっている時のことでございますから、私も深くは気にも留めず、そのままその蒲団に眠ったわけなのでございます。
初めての晩でございましたから気は張っていたのでございましょうが、それでもやがてとろとろとして、何時間ぐらい経った頃でございましたろうか。いきなり夢中で家内にしがみつかれて私は吃驚して眼を醒ましました。急いで跳ね起きて洋灯に火を点けましたが、
「どうしたのだ、どうしたのだ?」
と問い質しましても、家内はただガクガクと震えているだけで、口もきけずに蒲団を引っかぶっているだけなのでございます。ようやく真っ蒼な顔を蒲団の間から覗かせて、まだ震えの止まらぬ声で、
「綺麗な……眼の醒めるような綺麗な奥さんが血みどろになって……そ、そこに悄然と……お立ちなすって……真っ蒼な顔をしてわたしの方を見ておいでになって……おお怖やの!」
と急いでまた蒲団の中へ顔を埋めました。身体中にビッショリ冷汗をかいて、その熱気は私にまでも伝わってくるのでございます。
「夢に魘されたのではないかい? そんな莫迦なものがいるはずがないじゃないか! どこにいたんだ? この辺にかい? この辺にか?」