Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
その頃は裏手のほうに廊下続きで二間ばかりの離れ座敷がございまして――これからお話するような事件のあった後でございますから、ただいまは取り毀してその跡へ土蔵を建てました――ふだんは雨戸を締めっきりにしてお客様でもないかぎり使う用もなかったのでございますが、この離れの方を当分の間私ども夫婦の住居にすることに決めていたのでございます。
お開きになりまして、集まっておりました客人や町内の人たちもそれぞれ帰ります。そして私たち夫婦はその自分たちの居間へはいったわけなのでございますが、こういう田舎の住居でその頃はまだこの町には電灯なぞもございませず、枕許に立てた洋灯の光りも、床の間や鴨居天井のあたりまでは届かず、まことに薄暗い陰気な座敷でございました。が、ともかく新しく嫁取りもしましたことでございますし、家中はさすがに賑わっておりますから、私も別段なんとも思わず寝に就いたわけなのでございました。
その時にどういうわけですか敷いてありましたのが、店にいつも店晒しになっておりましたあの縮緬の蒲団なのでございます。ちゃんと家内の嫁入り道具の中に夜具もまいっておりますし、まさか親父が言いつけたわけでもなかろうにと、ちょっと不思議な気もいたしましたが、なにせ結婚当夜のことでございまして万事万端両親や仲人の采配どおりになって花婿