Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

できたミルクもころあいにさめたので、診察室にもってこようと思って、長廊下をあるいてきたとたん、ふと思いもかけずそこに見たのは、電灯の光もとどかぬ薄暗い廊下のかどに、中腰をして赤ン坊をおぶったあの老婆が、ふすまのかげから、ジッと茶の間のようすをうかがっていたというのです。そのときの夫人はべつだん恐ろしいとも思わず、きっとお手洗へでもいったかえりに、部屋をまちがえているのだと思いましたから、

「部屋をおまちがえになったんじゃありません? 診察室は、あちらですのよ」

と、声をかけてみたというのです。

と、だまって立ちあがって、ジロリと夫人のほうをふりむいた顔は……とたんに、夫人はおもわず総毛だって、あッ! とすんでのことによび声をあげようとしました。恐ろしいとも、恐ろしいとも! くらい廊下のなかで、ギラッと目ばかりをひからせて、ニタリと笑った口は耳もとまで裂けて……まだこんなおそろしい顔は、いままでに見たことがありません。

「……あ! ……あの……診察室はこちらですのよ」

と、それでも夫人はふるえながらも、老婆をつれてこようとすると、老婆はさっとじぶんでさきに立って、もときたほうへもどっていってしまったというのです。