Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
洗いざらしの、ボロでやすが……」
「下の単衣はわかりませんけど、上のは、あらい十字絣の……まるで三十二、三の女がきるような、派手な柄でしたわ。……お婆さんが、ずいぶん派手なゆかたをきてらっしゃると、それでいまでもおぼえてるんですわ」
「あ、奥さま! それでやす、とられたのは、その十字絣で! わしどもの家内は二十七になりやすから、それにまちがいはねえでやす」
「まァ! それではあのお婆さんは、お宅からとったきものをきて……お宅の赤ちゃんをつれてきたんでしょうか? まァおそろしいこと……なんてお婆さんなんでしょうね!」
と、夫人はおそろしさに、身をふるわせました。
それにしてもふしぎなのは、このお百姓の足でさえ、たっぷり一日はかかる遠い道を、わずか三、四時間のうちに平気でいったりきたりする。あの老婆の正体は、いったい何者なのだろうか? ということでした。
しかも夫人は、これだけのことでもうふるえあがっていられるのですから、昨夜老婆が家をのぞきまわっていたことなどしったら、それこそもうどんなにおびえあがって、家中がたいへんなさわぎになってしまうかわかりません。