Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「なんのなんの、てまえ若さまのお供をいたしながら、まことにお供甲斐もござりませぬしまつで……ご隠居さま、どうぞお許しなされてくださりませ。このとおりでござります」
と、若党は地面にひれふして、頭をすりつけました。
そしてふたたび左近将監の邸へとってかえしましたが、幾度とってかえそうとも、いくら左近将監の口からじきじきわけをきこうとも、これだけに悪智恵をめぐらした卑怯な家老が、どうしてほんとうのことを、あかすわけがありましょう。
老母の面はいよいようれいにとざされましたが、かんしゃくは強かろうとも、まさかに一国の城代家老ともあろう人が、黒を白といいくるめようとも考えられません。
腑におちぬてんはかずかずありますが、とにもかくにも万一ということもありますから、隣国諫早、鳥栖、博多、要所要所の親類へはことごとく早飛脚をだして、もし小金吾が立ちよったならば意見をして老母のもとへかえしてくださるようにと、くれぐれもたのんでやりました。
が、もちろん、亡くなった小金吾があらわれようはずもなく、ただ日のみが一日たち二日とたち三日……四日……十日……十五日とたって、消息はかいもくわからず、各地の親類からもまた、立ちよったというしらせなどは、ただのひとつもまいりません。