Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「こい! かかってこい! いざきたれ!」
とたんに、さくらの根元からとびあがったとみえて、曲者は馬上の将監のまっこうから、切りつけました。チャリンとうけたとたんに、曲者は将監の頭上をとびこえて、反対側へおり立ったようです。
もはやそれからは、応接にいとまもありません。縦、横、十文字、前後左右、始終無言でヒラリヒラリと切りかかってくる曲者をあいてに、将監は汗みどろになって馬を縦横無尽にのりまわしつつ、斬りむすんでいましたが、相手の電光のようなすばやさにかかっては、いくら気をいらだてても、もはや馬からおりるひまもありません。
かくして無言の曲者をあいてに、小半刻あまりもわたりあっていたでしょうか? 供のものが急をお城へつたえたとみえて、いまでてきた城の大手門のほうから、ワッワッというさけび声とともに、おびただしい提灯の火がちらついて、先鋒の若侍三、四人は、すでに押っとり刀でバラバラッとそれへちかづいてきたようです。
「ご家老さま! 梶平三郎お手つだいにさんじました!」
「門馬光春、まいりました!」
「豪太夫、ご助力申しあげまする!」
つづいて、ワッワッと提灯の火がよせてまいります。