Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
と、申しましたので、その布をもった黒装束も、いいぐあいに、それ以上はあやしみもいたしませんでした。
こんなおそろしい曲者たちに見つかりましては、命のほどもあぶないとぞんじましたので、そのまま、そうっと部屋へもどってまいりました。もう恐ろしくておそろしくて、一晩中歯の根もあわなかったのでございます。そしてスグだんなさまへおしらせ申しあげようと思いましたが、あんな神通力を得た曲者では、わたくしがこのことをおしらせにまいったとわかりましたら、もうてまえの命はございませんし、どうしよう、こうしようと、きのうは一日中考えくらして……とうとう一晩中まんじりともいたしませんで、今朝は早くご用事にかこつけて、こうしておしらせにまいったわけでございます」
「さようか! そちの申すことはようく相わかった。よくぞしらせてくれた。あらためて、そちには将監くれぐれも礼をいうぞ。そうとは知らず、さきほどよりそちを疑ってさまざまのことを申したなれど、わしにとっては大事な母者のことなれば、悪う思うてくれるな」
と、ようやく左近将監も夢からさめたようなここちです。
「よい、よい! そちのせっかくのしらせを決してわるうはとりはからわぬ。