Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「あのときわしがいったように、ひと思いにこわしてさえおけば、あんたもこんなおそろしい目にはあいなさらなかったのじゃ」
と、こんどはかたわらに黙念としている博士をかえりみられました。
「が、わしもわるかった。あのとき、ただこわせ、こわせとばかりすすめずに、これこれこういうわけじゃから、こわしてしまいなされ! とわけを話してあげればよかったのじゃが、そこまでうちあけなかったから、あんたもひと思いに、こわす気にもなれんかったのじゃろう……これはわしも失敗じゃ。わしにも大きな責任がある。が、いまからでもおそうはない。悪いことはいわん! こんどこそこれにこりて、ひと思いにこわしてしまいなされ」
「もちろん、もう和尚さんが、のこしておけとおすすめになっても、こわしてしまいます。さっきからお話をうかがっておりますあいだ、もうそればっかりかんがえておりましたが。……しかし、それにしてもどうも、なんとも……からだ中のさむくなるようなお話で……」
と、ききおわっても、まだウソ寒そうに、お義兄さまは肩のあたりをすくめていられましたが、思いは博士とてもおなじことでした。文明のこんにち、こんなバカな話があるものだろうか? といくら自問自答してみても、げんにあのおそろしい老婆をこの目でみ、またおそろしい数々のできごとにも、であっている