Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
そしておはいりになったら、ごじぶんであの離れの戸をなかからおしめになって……いつまでたってもでていらっしゃらないもんですから、みんないまさわいでいますんです」
「もう半時間も、あの部屋へはいっている? なぜもっと早くにわたしにしらせてこないんだ? たいせつな話によばれたと? いったいだれによばれたんだ?」
と、博士も眉をひそめながら、患者をおいてそのまま、長い廊下を、その離れ座敷のまえまできてみられましたが、なるほど、丈夫な戸のまえでは、おもとや吉蔵たちがオロオロととほうにくれて、たたずんでいるのです。
「だんなさま! 奥さまが変なことをおっしゃいまして……なかから鍵をかけておしまいになりまして……」
「なぜ、よんでみないんだ……?」
「いくらおよびしても、ご返事をなさいませんのです」
「おい頼子! 頼子」
と、博士は、大声をだされました。
ドンドンドンドンと、戸をたたいてみられましたが、戸のなかはしーんとして、なんの答えもありません。
「だれもいやしないじゃないか」
「いいえ、たしかにおはいりになって、なかから戸をおしめになりましたんです……もう三、四十分もまえに、こわい顔をなさいまして」