Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「おい頼子! おーい頼子……」
いくら戸をたたいても、あいかわらずなかからはなんの返事もありません。人がいるのかいないのか、ただしーんとしずまりかえっているばかりです。なるほど中から厳重に鍵がかけてあるとみえて、おしても突いても丈夫な戸は、ビクともするものではありません。
「なるほど鍵がかかっている……ハテおかしいな、これは」
とたんにはじめて、いままで気にもとめなかった例の護符を、ここへだけ貼りのこしたことが、思いだされました。そしてその瞬間、サッと博士の顔色がかわりました。
「これはいかんぞ! おい、おもと! みんなをよんでこい!」
ウウム、ウウムと、あらんかぎりの力をだして、もういちど戸に手をかけてみましたが、戸は金輪際うごくものではありません。
「ようし、吉蔵! やぶってしまえ! どうせこわす家だ、かまわんから戸をたたきやぶってしまえ! みんなも吉蔵に手をかしてやってくれ」
もうそのときには、吉浦からきた八蔵も山吉も与助も、みんなこの部屋のまえにあつまっておりました。吉蔵に手をかして、この三人の男が戸へ手をかけているのですが、それでも丈夫な戸は、やぶれそうもありません。