Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
家内なぞも昨日この話を聞きましたら、どうにも薄気味悪がっていまして……困ってしまいますんで」
と亭主はこうやってその話をしていることすら気味悪そうに言葉を切ったが、幾分は私が、そんな薄気味悪いところへ足繁く通っていることに内心怖れを抱いているようなところも見えた。
もちろん私はこんな知能程度も低い愚直な百姓なぞの言うことを、決してピンからキリまで真に受けているわけではなかったが、さればとて頭から冷笑しているわけでもなかった。半信半疑というところであったが、余人はいざ知らず私だけには事あの三人に関する限りこういう荒唐無稽な風説をも一概に一蹴することのできぬある割り切れぬものを感じていた。そして愚直は愚直でも少なくとも、この亭主が嘘や作りごとを言うような人間でないことだけは確実であった。
「その茂十さんという人に逢ったら詳しく日野さんの話が聞けるだろうか?」と私は沈吟しながら亭主の顔を見た。「気の毒だけれど僕をその人のところへ連れてってもらえまいか?」
「ええ、ええ宜しゅうございますとも。旦那様に逢って戴ければ、私も茂十どんにふざけてそんなことを言ったわけでないこともよくわかってもらえますし……一里半ばかりでございますけれど、なあに裏通りを通って行けばわけはこざいません。