Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
夫の書斎で暮らす時間が多くなればなるほど、夫婦間の交渉は、用事以外に少なくならなければならないはずだというのが細君の方の理窟であった。
彼女は自然の勢い健三を一人書斎に遺して置いて、子供だけを相手にした。その子供たちはまた滅多に書斎へ這入らなかった。たまに這入ると、きっと何か悪戯をして健三に叱られた。彼は子供を叱るくせに、自分の傍へ寄り付かない彼らに対して、やはり一種の物足りない心持を抱いていた。
一週間後の日曜が来た時、彼はまるで外出しなかった。気分を変えるため四時頃風呂へ行って帰ったら、急にうっとりした好い気持に襲われたので、彼は手足を畳の上へ伸ばしたまま、つい仮寐をした。そうして晩食の時刻になって、細君から起されるまでは、首を切られた人のように何事も知らなかった。しかし起きて膳に向った時、彼には微かな寒気が脊筋を上から下へ伝わって行くような感じがあった。その後で烈しい嚏が二つほど出た。傍にいる細君は黙っていた。健三も何もいわなかったが、腹の中ではこうした同情に乏しい細君に対する厭な心持を意識しつつ箸を取った。細君の方ではまた夫が何故自分に何もかも隔意なく話して、能働的に細君らしく振舞わせないのかと、その方をかえって不愉快に思った。