Japanische Klassiker mit Furigana
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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Lesen Sie 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.016 Zeichen · 284 Bildschirme
それだからそのただ一つを正しい名とし、他をまちがいとすることはいよいよ道理がないと、私などは思っているのである。薺のたけたのをペンペン草ということは、東京の人たちもよく知っているが、何故にそういったのかは、もうそろそろと忘れかかっているらしい。ペンペンは三味線のことで、最初はあの音によって小児がつけた名であろうが、後には親兄姉でも、市中の人たちはこの語を使っていた。三味線とは言っても、実はこの草の三角形をした種実が、この楽器を弾く撥のかっこうに似ていたからの名である。以前の三味線の撥は琵琶のそれのように、今少し中がくびれて先が開いていたのではないかと思う。熊本県の玉名郡ではこの草をネコンピンといっている。実の形が三味線の撥に似ているので、小児はこれを採って左の手の母指の爪に当てて、三味線を弾くといって戯れ遊んだ。山口県の厚狭郡では「猫の三味線」と呼び(『防長史学』四巻二号)、愛媛県の周桑郡でもシャミセン草、またはチロリンといっている。中央部殊に京阪などには今はもうこの名はないが、遠く東北の端に行って、岩手県の九戸郡ではサミセングサ、秋田県にも同じ名があり、またシャミセンコという村もある。