Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
それを迎えて、内儀のお余野は歯痒がるのです。
「お萩の身許や請人はわかって居るだろうな」
「親許も請人もありゃしません。奉公人なら、やかましいお上の取締りもありますが、請人のあるのはお半とお六だけで、あとの三人――お房とお萩と祭は、内の娘分になって居ますよ」
「そいつは驚いたな」
身許引受人の無い奉公人は、当時といえどもやかましく禁じられて居りましたが、野師や水商売や、――多くの人身売買業者達は、六つかしい手続やお上の眼を恐れて、不具の子や、娼婦達を、娘分や息子分にして、その取締の網の目を潜って居たのです。
「もっとも、親は諸国遍歴の六部でした。両国で行倒れになった時、土地の人が六つ七つの娘を拾って育て、年頃になったところで、私共で大金を出して譲り受け、娘分にして育てたのです」
「ところで、もう一つ訊き度い。丹波彌八郎の色文というのを、皆んなで三百六十何本とか受取ったというが、誰が一体何本ずつ持って居るんだ。そいつを調べる工夫は無いだろうか」
「困りましたねェ。色文なんか、呉服屋の勘定書ほどにも思って居ないから、貰ったところで焼いたり破ったり、手を拭いたり――大事にしまって置くような、心掛けの良い子はありませんよ」