Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
もとよリテニヲハも整わぬ腰折れではあったが上手も下手もその道に打ち込む熱心に変りは無い」
「――」
「その歌の添削が、恋文と見えたものであろう。現に、此処にも、その見本はあるが――」
彌八郎は立って、手文庫の中から五、六枚の朱の入った歌反古を持って来て見せるのでした。
「成程、そう聞けば、お萩の荷物の中を調べた時、恋文らしいものは一つも出て来ずに、朱の入った歌のようなものが出て来ましたが」
平次にとっても、この話は恐ろしいほどの衝動でした。武芸が嫌いな故に、その身分から家庭までも失った文学青年が、その頃江戸名物の一つであった、遊女や芸子などよりは、遥かに遥かに卑しく無智なものと思われた水茶屋の茶汲女に、三十一文字の歌の作りようを教えて居たということは、想像も及ばぬ不思議な事件だったのです。
「私が歌を教えたのは、祭とお萩の二人だけ、わけても一番年の若い祭は、一番熱心で、今までに何百千首となく作っている。お萩の方は怠けもので、お洒落で気が強くて、お房と喧嘩ばかりして居たということだ。あとの女達は、一文不通で、三十一文字を綴る術を教えるわけにも行かなかった。