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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんな事は危ない当て推量で、証拠にはならないよ。それより外へ出て風にでも吹かれてみよう」

それは良い分別でした。外へ出ると晩秋の風が爽やかに衣袂に薫じて、狭い狭い路地にも、江戸の裏町らしい活気は漲ります。

「八、此処は年中陽が当らないだろうな」

「東から西へ抜ける路地だから、乾くのは真夏の一と月か二た月だけ――この通り溝は腐って、ふくれて、甘酒のようになって居りますよ」

「お萩が死んでいたのは、此辺だと言ったね。水溜りがあって、飛越すのにちょいと立止るから、其処をやられたことだろうな」

「おや、此辺の柔らかい土の上に、いやに凹んだところがありますが、丁度人間の膝ッ小僧の跡位の凹みが、五つや十じゃありませんよ」

「子供の悪戯かな」

平次は上を仰ぎました。丁度頭の上は巴屋の二階の窓で、路地が狭いので遠慮したのか、その下の窓には霜除けも何んにも無く、家は溝の上から切り立ったように、真っ直ぐに二階の窓を見上げるのです。

「悪戯かも知れませんね」

八五郎は相槌を打ちましたが、何んか腑に落ちないものが残ります。

「あの上の窓は、お前が泊って居た部屋か」

「いえ、あっしが泊ったのはその隣で、あれは内儀のお余野の部屋ですよ」