Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「――」
「やられたに違いありません。二階の六畳――あの酒盛をした部屋の隣ですがね、大名ほどの贅沢な寝部屋で、背後から土手っ腹をえぐられて死んだんだから、文句はありませんよ」
「背後から?」
「唐紙の陰に隠れて、よく狙いを定め、丁度よいところでやったようです」
「それは何時のことだ」
「昨夜亥刻(十時)過ぎだったそうです。あっしのところへ使いが来たのは、今朝町木戸が開いてから、すぐ使いの者を返して、此処へ飛んで来ましたが」
「そいつは放っちゃ置けない」
平次は井戸端の柱に楊枝を突っ立てると、朝の膳を尻眼に、出かける仕度を始めるのです。
「あれ、お前さん、もう御飯の仕度が出来て居ますのに」
お静は追っかけましたが、平次はもう路地の外に飛出して居りました。
明神下から向島の小梅まで、平次も八五郎も汗になって辿り着いたのは、辰刻(八時)少し回った頃。
「銭形の親分、とうとうこんなことになってしまいました」
泣き出しそうな顔で迎えたのは、若い番頭の才六でした。狐面がオドオドして、ひどく情けない表情です。
「そのままにしてあるだろうな」
「御検視をお待ちして居ります」
才六に案内されて二階へ登りかけた平次は、フト梯子段の下に足を留めました。