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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

「八、お前はお滝の部屋の窓から、青桐を伝わって、二階の主人の部屋へ登って見てくれ」

「そんな事なら、わけはありませんよ」

「そっとやるんだ、いいか」「へェ」

八五郎はグイと尻を端折ると、お滝の部屋の窓から身軽に飛出し、鼻の先の逞ましい青桐の幹に伝わって、何んの苦もなく二階へ登りました。

二つ目の枝が庇へ、三っ目の枝からは、大した骨も折らずに、主人岩太郎の死骸を置いてある六畳の欄干に飛付けるのです。二階の窓をそっと開けて、バァと顔を出した八五郎、

「あれ――ェ」

お峰は悲鳴をあげて飛上りました。もし八五郎の出現がお峰を驚かす為であったら、これほどの見事な成功は無かったでしょう。

主人の死骸の側で、涙と共に掻き口説いて居たお峰は、不意を喰った狐のように、一足飛に隣の八畳を突っ切ると、梯子段に飛付いて、逆落しに階下へ降りました。が、其処で待って居るのは、思いも寄らぬ――それは平次の十手だったのです。

「お峰、観念しろ」「あれ親分」

「お前は、昨夜と言う昨夜、主人の気がすっかり変って、お滝に奪られてしまったと思い込み、主人岩太郎を殺す気になったに違いあるまい」

「いえ、違います、私は階下の自分の部屋で、蒲団を被って寝て居たんです、どうして二階などへ――」