Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

「知らないよ。そんな下手な芝居の色男みたいな名前は」

「口が悪いな、親分は、――公儀御用御大工棟梁依田土佐の下請負で、うんと身上を拵えた男ですよ」

「金持と付き合っていると、きっと損をするよ、一緒に呑んでも、先に財布を出すのは、必ず貧乏人の方だ」

「今日は機嫌が悪いね、親分は」

「一々お前に逆らって済まねえが、――今朝っから気色の悪いことが続くんだよ、家主の親仁がやって来て、立退く約束で家賃を棒引にした店子が、此方の足元を見て、梃でも動かねえから、ちょいと十手を持って来て、チラ付かせてくれというし、金沢町の質屋で浪人者が押借りをして居るからちょいと十手を持って来て――」

「成程そいつはよくねえ、銭形の親分を用心棒と間違えちゃ腹も立つでしょうが、あっしの話は――」

「新造で、棘で、石井常右衛門だろう」

「先を潜っちゃいけません、あっしの頼まれたのは、その石井常右衛門じゃない――石井依右衛門の女房と言っても、こいつは妾だ、お通と言って三十二――いやその綺麗なことと言ったら」

「待ってくれ、お前に言わせると、女は綺麗なのと汚ないのと、それ切りしか無いことになるが――」