Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

「それだけのものを、今の主人が一代に拵えたのか」

「先代まではつましい藁屋に住んでいたんだそうで、今の主人の峰右衛門が、一代に身上を五層倍にも十層倍にもしたから、俺が一代に費っても不思議はあるまいと、意見をする者も無い気楽さで、手一杯の派手な暮しを考えたのだそうです」

「その当主の峰右衛門にお前は逢ったのか」

「逢いましたよ、まるで殿様にお目通り仰せつけられるようで、縁側から奥を覗いて立てっ続けにお辞儀をさせられただけのことですが、五十七、八の痩ぎすの青白い年寄で」

「何んかモノを言ったのか」

「結城紬、赤い座布団の上へちんまり座って、ノドへ痰ばかり絡んでいましたが、つまりはその、若い時人に怨みを買い過ぎて、近頃自分の命を狙うものがあって叶わない、いろいろ防ぎの手も考えたが、素人の知恵は多寡が知れて居るから、何んか気が付いたことがあったら、親分の考えを彌十なり七之助なりへ言ってくれ――とこうで、あっしを親分と言いましたぜ、あの高慢ちきな親爺が」

八五郎は甘酸っぱい顔を、大きい掌でペロリと撫でまわしました。

「一体、何がそんなに主人を脅かしたんだ」

仔細ありそうな空気です。