Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
庭でフト摺れ違った二十一、二の女、夕陽に照らされて、クワッと明るく美しいのを平次は、絵に描いた遊女のように艶めかしく眺めました。
地味な銘仙、赤いものを嫌った半元服。全く非凡という外はありません。
「あれは?」
「凄いでしょう、親分。あれが嫁のお民――殺された下男の勇太郎とは、遠い縁続きだったそうで――」
八五郎の説明を聴きながら、物置と同じ棟に造った、下男部屋を覗きました。物置と下男部屋とが背中合せになって居り、物置の二階に積んだ、モロモロのがらくたが、下男部屋からは寝ながらにしてよく見えます。
勇太郎の死骸は、検死がやかましかったので、そのままにしてありました。村越峰右衛門の倅――この家の若旦那の久太郎と、掛り人の喜八郎が、それでも何彼と世話をして、勇太郎の死骸に、一と通りのものなどを供えて居りました。
「これが若旦那の久太郎さん、これが番頭の喜八郎さん」
と、紹介されて、改めて見ると、久太郎はまだ二十七、八、一寸良い男ではありますが弱そうで、臆病らしくて、肉体的にも、人柄にも、頼もしげなところは少しもありません。それに比べると掛り人の喜八郎は、色の浅黒い四角な顔で、何んとなく遊び馴れた人によくある、狡さと、皮肉さと、人を喰った驕慢さがあります。