Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
ん」
「――」
平次は黙って先を促しました。主人峰右衛門の口は、極めて自然に、高僧の前に据えられた懺悔者みたいに、静かにほぐれて行くのです。
「私は五十八年前、この村越家の次男に生れました。私の兄の峰太郎が生きて居れば、私より三つ年上の六十一になる筈ですが――その兄は放埒に身を持ちくずして勘当になり、落ちぶれ果てて、十三年ほど前に木更津で死んだということでございます」
「その峰太郎さんには配偶や子供が無かったので?」
「ありましたよ、倅が一人、これは峰之助と言って、父親の峰太郎が死んだ時、三十前の若い盛りでしたが、父親の峰太郎を殺したという疑いを受け、親殺しの大罪人ということで、本来ならば磔刑にもなるべきところ、幸か不幸か、病気のため牢死いたしました」
「その峰之助には?」
「娘が一人あったと聴いて居ります、無事で居れば、十七、八にもなるでしょうか、それから、配偶もあった筈ですが、それは夫峰之助が牢死して間もなく、落ちぶれ果てて死んだと聴いて居ります」
「お話中だが、その峰之助の娘というのが、此家へ引取られて居るようなことは無いでしょうな」
平次は此処に重大な怨恨が潜んで居そうな気がしたのです。