Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「風邪なんか引いて居ませんよ」
「融通のきかねえ野郎だ、兎も角、今のうちから心掛けて、カラ咳でもして居るがいい」
「へェ?」
「一とわたり湯へ入る順番が済んで、一番お仕舞は小僧の宗之助かな、――それとも下女のお竹かな――その頃になって、お前は風邪は大したことも無いから、急に湯に入ると言い出すがいい、そして無理にも風呂場へ飛込むのだ」
「下女のお竹と一緒に湯へ入るのは御免ですよ、親分」
「お竹じゃない、小僧の宗之助と一緒に入るのだよ、――背中を流してくれとか何んとか言って、大概の小僧は、それ位のことは喜んでやってくれるよ」
「やってみましょう、――それ位のことなら」
「俺は、掛り人の喜八郎に、チョイと訊き度いことがある、一緒につれて行って、百人町で一杯呑むことにするが、構わねえだろうな」
「構やしませんが、一杯飲む方のつき合いをあっしの方に回して、小僧の宗之助と一緒に風呂へ入るのは、喜八郎に頼んじゃいけませんか」
「うるさい奴だな、兎も角、俺の言う通りにするのだ、喜八郎は亥刻前には帰る筈だが、お前はそれを待つまでもなく、寝っちまった方がいい」
間もなく平次は、番頭とも掛り人ともなく、村越家に喰いついて居る、三十男の喜八郎を誘って、百人町へ引揚げて行ってしまいました。