Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
恐らく、非常に強力な曲者に絞めつけられて、一たまりもなく気を喪い、やがて息も絶えたことでしょう。
「持ち物は?」
「不思議なことに、何んにもありませんよ、財布位は持っていそうなものですが」
胸をはだけて見ましたが、其処には僅かばかりの懐紙があるだけ。
「今まで六日間、何処に隠れて居たんだ、お前の調べも届かなかったのか」
「手一杯に調べて見ましたが、まるっ切りわかりませんよ。親許は厚木だそうで、人をやって調べましたが、其処には寄りつかず、請人は竹町の福屋甚兵衛という紙屋ですが、其処へも顔を見せません。江戸には親類も縁者もなく、五年も奉公して居るのに、懇意な家も人も拵えなかったそうです」
「少し変って居るな」
平次は死骸に莚を掛けて、退きました。
「大きい声では言えませんが、今の御新造が来る前、此家の主人と怪しいという噂は立てられたそうですが、外に男を拵えた様子もありませんよ」
「此家の人間は皆んな揃って居るのか」
「此家の人間で昨夜留守にしたのは、主人の依右衛門だけで」
「何処へ行ったんだ」
「日光御修復のことで、公儀御大工棟梁達が揃って日光へ行きましたよ、二日前のことですがね」