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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

「竹町の宇佐美敬太郎は?」

「朝っから遠吠ですよ。――あれは腹の減る仕掛けには持って来いですね」

「それじゃ、頼むぜ、八」

「矢張り、親分」

平次は飄然として帰って行くのです。

それを見送っている八五郎の心細さは格別ですが、波岡邸の四方に配置した六人の下っ引が、引っ切りなしに報告を持って来るので、さて何時までも淋しがっているわけにも行きません。

やがて十日月が中天から西へ傾く頃、

「御苦労だな、八五郎親分」

暗がりから、ノソリと出たのは、竹町の浪人宇佐美敬太郎でした。

「あ、又、宇佐美さん」

八五郎はさぞ苦い顔をしたことでしょう。

「又とは御挨拶だな」

「へッ、相済みません。が、竹町からわざわざ飯田町へお出ですか」

「その通り、腹ごなしだよ」

「あんなに一日謡をやっていても、まだ腹減らないんで」

「拙者が一日謡をやって居たのを、どうして知った」

「それはもう、天眼通で」

「さては、見張られているのかな――いや結構々々拙者に怪しい素振りが無いとわかれば、それに越したことは無い。ところで、今晩はどうだ、銭形平次は見えないようだが」

宇佐美敬太郎はキョロキョロと四方を見回しました。