Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「御冗談を、親分」
釜吉は佐太郎とお峯の後に従いました。
平次は兼吉を先に立てて、店から始まって、納戸へ、居間へ、仏間へ、お勝手へ、雇人の部屋へ――と鍵のあるもの、錠前のあるものを一つ一つ覗いて行きます。
時々は自分の袂から二三十束にした鍵を出して、いろいろ廻したり開けたり。
とうとう手燭と提灯を点けさせて、釜吉と八五郎に前後から照させながら、庭の方まで出かけて行きました。
庭の奥の林の中には、近所の百姓地で荒れ放題になっていたという、稲荷様の祠を移して、元のままながら小綺麗に祀ってあります。赤い鳥居が十基ばかり、その奥に一間四方ほどの堂があって、格子の前には、元大きな拝殿の前にあったという、幅三尺に長さ六尺、深さ三尺五寸もあろうという法外に大きな賽銭箱があります。
「これは大層慾張った賽銭箱だネ」
平次は笑いながら覗いてみました。
欅の厚板で組んだ、恐ろしく巌丈なもので、大一番の海老錠を卸してありますが、覗いてみるとよく底が見えて、穴のあいた小銭が五六枚あるだけ、何の変哲もありません。
「…………」
平次は小首を傾けましたが、その辺にあった細い棒を持って来て、賽銭箱の内と外の深さを測り、それから、自分の鍵束の中の大きい鍵を海老錠に持って行くと、錆び付いて少しきしみますが、それでも手に従って廻って、錠はわけ