Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「何しろ早く挙げて、皆んなを安心さしてやりたいネ。今朝も焼け死んだ竹松の母親がやって来て、泣きながら倅の敵を討って下さいって頼んで行ったよ」
二人はそんな話をしながら、今度は三村屋の立退き所へ行って、伊助と文治の荷物――ほんの小風呂敷一つの小さい荷物を調べた上、家主の太七の家へ行って、周助の持物を見せて貰いました。
番頭の伊助は、思いの外溜め込んで、諸方へ小金を貸した証文をうんと持っていたのは予想外でしたが、その外には、文治が、主人の娘のお町へ宛てて、思いの丈をクドクドと書いた、「出さない恋文」を持っている外に、何の変ったこともありません。
周助は、千両箱持参の聟が破談になったと聴いて、お町に取入る積りらしく、「命の親」を持参にする意気込みで、猛烈に働きかけております。
その手廻りの道具は、男のくせにお洒落道具で一パイ、平次もガラッ八も、周助の不景気な顔と見比べて、苦笑して引込んでしまいました。
もう一つ。火放け道具に使った、松も、油も、綿も、周助の家には似寄りの品も見付かりません。焚きつけは硫黄付け木の小枝で間に合せ、油はほんの少しばかりの灯油が、行灯の皿と古い小さい油壺にあるだけ、綿は蒲団でも引っ剥がしたら古いのが出て来るかも知れないといった程度です。