Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans
身をつつんでいる夜具の友禅模様も、何か、不思議な世界のものであるような気がされる。
「おや。お目ざめ?」
枕屏風の横から、こうさし覗いて笑った顔は、ゆうべの人であった。お高祖頭巾の女――あとで分ったことであるが、名はお島、年頃は市十郎より幾つか上らしく、そしてこの家のある所は、南八丁堀の、とある新道で、小粋な二階家造り。障子明りに、雪を持った松の影が映っていた。
「昨夜は、思わぬお世話になりました。お礼の申しあげようもありませぬ」
市十郎は、あわてて、床を出、真四角に、両手をついた。調った家居や調度の中に置かれると、屋敷生活の躾がよび起され、たちまち、今の彼らしくない彼にもどるのであった。
「ホホホホ。まあ、ごあいさつに困ッちまう」
と、お島は唇へ手をあてて笑った。もとよりかの女は、そんな肌の女とはちがう。化物刑部のやしきへ行くと、銀歯組やごろ男を相手にしても、折には、勝負に勝って来ようという女である。
きのうも、広間の賭場仲間のひとりだった。しかも、目が向いて、勝っていた機だったので、土蔵二階の出来事を、ちょうどよいきッかけに、お先へひとり帰って来たのが――あの雪の道だったのである。