Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

彼の妾宅

吉宗は、武門の棟梁の名をもって、命じておくぞ。切腹などいたしてはならんぞ」

「……はっ、はい」越前守は、上げかけた腰を、また、ぺたんと、地に崩してしまった。

彼の妾宅

年は、暮れ、また、次の年の秋が来た。

南町奉行所の門は、事なく、いや、事しげく、市民の中に、その使命を、つづけている。

大江戸の生業と、夜々の安眠の、守りの門として。また、正直者の味方として。

さしも、噂だった、お袖たち一連の事件も、遠島、その他の重罪で落着し、市民も、いつか忘れ顔だった。

死罪は、一名も、出なかった。のみならず、この一年の間に、大赦の令が出た。特に、五代綱吉の治代に、例の、畜類違犯で獄中にあったり、その起因による罪人は、一人あまさず、赦免になった。

お袖も、その一人であり、中野お犬小屋荒しに発足した亀次郎たちの悪の仲間も、遠島から解かれて帰った。

この秋ぐち。初秋の風と共に、それらの人々は、思い思いに、どこかへ散った。

お袖は、船の上から考えていたように、巷を歩き廻らない足で、すぐ青山善光院へ行って、髪をおろした。馴れない尼院生活も、彼女にとっては、むしろ生れかわったよろこびにみちていた。