Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

第七章

白洲暦

裁きの白洲は、俄然、前代未聞な異観を呈した。傍聴の横目たちも、白洲木戸の小役人たちも、慎むべき法廷とは心得ながらも、騒然として、何事かを、囁き合って、不安にみちた眼を――裁く者と裁かれる者――そのどッちが裁かれているのか分らない二人に注ぎ合っていた。

第七章

白洲暦

その日の白洲は、お袖のために与えられたようなものだった。越前守に向って、お袖はいいたい限りのことがいえた。積年の恨みを、思いのこすこともなくいってのけた。あとの心に、もう止める何物もないほど、いい尽した。

――にも関わらず、かの女は、その後で、どっと、せきあげる涙と淋しさとを、どうしようもなく、俯ッ伏してしまった。

「袖。――もう申したいことはないか」

越前守は、かの女の狂舌がやむのを待ってそういった。かの女は、それに反撥する一語の気力すら残していなかった。白洲のすすり泣きだけが答えだった。

「では、越前の方から問うぞよ」

傍聴の横目も、下役の人々も、越前守が奉行の位置や法廷という場所も忘れているのではないかと疑った。――余りにも、奉行らしくないからである。そして、先刻から女の怨み罵る情痴の裁きの前に、まるで彼の方が、被告の位置におかれ、じっとそれに耐えていた揚句になお――生ぬるい今の言葉であったからだ。