Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

吠える牢屋

「オ、左右太か。はいれ、心待ちにしておったところだ」

一時、表面の解職をうけて、舟源の二階に浪居していた三与力のひとり山本左右太は、御隠殿下の手入れに功があった者として、ふたたび、現職の復帰ではないが、奉行所出入りをゆるされ――町方勤めとして、折々、ここへ顔を見せていた。

吠える牢屋

かれの姿を見ると、義平太も勘蔵も、

「やあ、左右太か。ひどい汗ではないか。まっくろな顔をして」

と、机から顔をあげて、共々、いたわるような眼をむけた。

左右太は、手拭で、ひたいを拭いながら、

「いや、もう往来を歩くと、陽が暑い。――苗売り、すだれ売りの声をきくにつれ、月日のはやさに、鞭打たれる」

と、ふところから、手控えを取出して、越前守のまえに、膝をあらためた。

「まことに、日かずを費やしましたが、お袖の幼少から生い立ち、水茶屋時代のこと、ようやく、調べ上がりました」

「そうか」と、越前守は、お袖の名にも、無表情のまま――「勘蔵。それに、お袖に関する書類が一綴あるな。その中へ、いま左右太の述べることを、明細に、書き入れてくれい」

「かしこまりました」

と、勘蔵は、筆をとる。これも、冷然たる書記の態度だ。