Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

「はい。わかっております。……どうも、相すみません」

姿も姿だが、声も、まるで女である。幾度も、頭を下げているものの、あとへ帰る様子もない。

由と庄七は、顔見あわせた。もしやと、握りしめた六尺棒の力も抜け、なアんだと、急に除かれた恐怖と緊張が、反対なおかしさをつきあげた。

「おい、おめえは、蔭間屋の色子じゃねえのか。身装で分らあ、蔭間だろう、おめえは」

「はい、左様でございます」

「身装もいいし、縹緻も美い。まさか、野天の辻野郎でもあるまいに、何だッて今頃まで、町をうろついているんだい」

「ええ、もっと宵の内に、帰らしていただくつもりだったんですが、浜町まで送って行ったお客様に、またおやしきでひきとめられ、お酒をのませられたりなぞしていたものですから……」

「客を送って行ったのか。駕籠でも貰って帰ればいいに」

「まさか、お屋敷のお駕籠で、蔭間茶屋へ帰るわけにもゆきませんし」

「先は、御大身なのか」

「お名前は申しあげられませんが、立派なお下屋敷もあり、御家来衆もたんといて、歴乎とした……」

「はて、誰様だろう」

「それだけは、どうぞ、訊かないで下さいまし……。後生ですから」