Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans
印籠秘封
また。
ここの自身番から一町半ほど先の路傍に、たれが脱ぎ捨てた物か、極めて薄布地を用いた黒衣の小袖に、黒頭巾、黒の膝行袴などが、ひとまとめにして、捨ててあった。
印籠秘封
上げ汐時だ。海口の方から市街の河すじへさして、夜明け雲の下を、無数の芥を浮かべて汐臭い流れが、ひたひたと土手や石垣へ満ち初めていた。
堀留川を下って、楓河岸、箱崎河岸と、河岸づたいに、二つの影が一つのように、まだ川面の靄も暁闇も深い道を、ひた走りに馳けてくる。
「おうっ。お燕ちゃんじゃねえか。ここだよ、ここだよ――」
無数の苫舟が繋っている岸辺から、やや大川筋へ下がった所に、また一艘の小舟が、苫をかけて、泊まっていた。
手をあげて、苫の蔭から、こう陸へ向って呼んでいる顔を見つけると、
「ああ、よかった。おっ母さん、阿能たちは、あそこにいたよ」
と、ゆうべの姉崎吉弥は、江戸橋詰の木戸を破って救い出して来た黒衣の女と一緒に、苫舟の方へ、ニコと頷いてみせた。
苫の蔭から出て来た男は、すぐ舟に立って、棹を突いた。
小舟はゆるやかに寄って来る……。
その間に、陸の女は、黒衣や頭巾や膝行袴などの化身の皮は、吉弥も手伝って、ぬぎ捨てていた。