Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

駕籠が、数寄屋橋門内に入り、役宅の玄関に、降ろされるまで、ふと、心をとられていた。

もう、黄昏れていて、役宅の部屋部屋は、退けていた。が、常に彼を補佐している吟味役の市川義平太と、目安方の小林勘蔵のふたりだけは、越前の用部屋に、燭をそなえて、待っていた。

越前はすぐ机により、その日の公事、市政、獄務、消防、道路、市井事故などのあらゆる件にわたる書類に目を通し初めた。

ふと、山善の一件書類が、かれの眼をひきつけた。

当夜の押込み五人組の強賊の――かおだちや年頃やらが、山善の召使や、重傷を負った夫婦の口書などにより、かなりな輪廓が、それには、浮かび出ている。

そのほか、江戸橋自身番の、庄七と由蔵の証言も、つぶさに、書きあげられてあった。

「……?」

越前は、数回、蝋燭の芯を剪った。

夕食をわすれていた。――いや、常ならばもうとうに、家庭に帰って、妻のお縫や、わが子の中に、一個の私として解かれている時間なのに、それすら忘れはてていた。

「葵紋ぢらしの蒔絵印籠……? はてな、葵紋ぢらしの……?」

越前は、愕として、何度も、そこを読みかえした。

「万字屋の蔭間といつわって自身番に夜を明かしていた十六、七の若衆が、それを所持していたとあるが。