Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

刑部の家へ」

「そればかりは、どうぞごかんべんを」

奉行所以上に、刑部といえば、恐れるのだった。

左右太は、笑って、

「よしよし。……その代りに、これから折々、この家を、使わしてもらおう。今のことは、他言するなよ」

朝めしを喰べ、左右太と源吉は、枕をかりて一寝みした。

いつも、この家から、刑部の家へ、通いつけている駕籠屋というのを頼んでもらい、左右太は、源吉とお次へ、

「舟で、さきへ帰るがいい。おれは、思うところをぶらついて、いつか、楓河岸の二階へ帰るから」

と、支度をした。

何日か帰る――。お次は、心ぼそくなった。

「何か、お奉行所の方へ、おことづけはありませんか」

物蔭で、そっというと、左右太は、いつのまにか認めておいた密封のものを、お次の手にあずけて、

「市川義平太か、小林勘蔵か、御両所のうち、どちらへか、しかと、手渡してくれ」

と頼んで別れた。

駕籠は、上野の山裏の方へ、いそいでいた。

鶯谷の御隠殿ちかくへ来た。

「かご屋。まだ遠くか」

「いえ。もう、このすぐ先の、だらだら坂の中途です」

「じゃあ、降ろしてくれ」

「いいんですか、旦那」

「その家の門さえ分ればよい」