Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans
何、昨夜、自邸にもどって自刃したとか、騒然たる臆説が町に乱れとんでおりまする。――私どもは、ただ昨日お奉行のお申しつけのまま、御最後の決をお姿に見るまでは、決して、道聴塗説の紛々には動かされまいと、みな自若と構えてはおりましたものの、怖ろしいものは、妄を信じる世間の心理です。朝から南町奉行所の周囲には、何事かあるやと、市民が群をなして集まり、為に、所内の下役、牢番までが、お奉行の身に、変があるものと思いこみ、何としても、説得ができません。きょう、お奉行のお行先こそ解し難いといい合って――」
「はてさて、頼みにならぬ人どもよ。それ故にこそ、篤と、申し残して、越前はただ一夜、やしきに戻って来たものを」
「何しても、今日のお出まし先まで、われわれ二人に、お供をおゆるし下さいませ」
「ばかな。町奉行に、何の警固がいるぞ。奉行自身、独り歩きの出来ぬような世間を、奉行が身に証拠立てて歩いたら、まことに、政道の奇観といわねばならぬ」
「いや、御警固などと申す意味でなく、一同の安心のために」
「なぜ、そち達は、安心できぬか。越前は配下の者にも、さまでに、不信な者となったか」