Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lisez 大岡越前 (おおおかえちぜん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 218 436 caractères · 437 écrans

Aozora Bunko

ここは神田辺の汚ない風呂屋の裏二階なのである。湯女がいて、三味線も弾き、酒ものませ、吉原よりも安直に、客も泊めたり、居続けもさせる――遊び風呂の多い横丁の一軒だった。

ふたりは、今朝でもう三日も、自堕落をやっていた。

さきおとといの雨の闇夜、大岡家を飛び出して、二人とも、濡れ鼠の姿で、懐中のあてもなく、ここへ揚がッてしまってからの、続きであった。

「おい、市の字。何をぼんやりしてるんだ。階下へ行って、ひと風呂サッと入って来ようぜ。……これこれ、女房たち、おぬし達はその間に、湯豆腐か何かで、熱いとこを一本燗けておくんだよ。よいかネ。そしてきょうも、きのうの小唄の稽古でもやろう」

大亀は、寝ても醒めても、くッたく知らずだ。天性、遊蕩児にできているのか、女たちを、怒らせたり、笑わせたり、嬉しがらせることに、妙を得ていて、しかも、大風な贅沢をいいちらし、ふところに一文なしとは影にも見せない。

それにひきかえ、市十郎は、ここへ来ても、養父の最後のことばがなお耳から去らなかった。あの後での、お縫の心根を察してみたり、兄や一族の怒りを考えたり……また、赤い蒲団の中に寝てさえ、何かに、夜どおし自責されたり――身をここにおいているだけで、怏々として楽しめない。