Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

何も、世間に坊主がいないわけじゃなし……」

お喜代は、その翌日、嫌応なくまた誘いに来た。今戸から船仕立てで、芝まで行こうというのである。屋形船には、もう斧四郎も、浜中屋のお菊ちゃんも来て待っているというので、露八は、不承不承、

「じゃあ、後から行く……」

と、返辞をした。

「船で、待っていますよ」

お喜代は、一足先に行って、船宿で茶を喫んでいた。

「まあ、しばらく見ないうちに、よい姐さんにおなりですこと」

先に来ていたお菊は、見惚れるように、彼女の身装を見てそう云った。女並みの軽い嫉みも、眸のどこかに隠されていた。

お菊ちゃんは、浜中屋の娘分で、芝居町の笛吹きの立で、小杉長五郎という男を聟に入れたことがあるが、二年も添わないうちに死に別れて後家になった。年は、お喜代の中の姉のお里ぐらいで、三ツぐらい上であろう。田之助の方から首ッたけになったといわれるくらいな容貌で、鳥文斎栄之の画く女のような気品があって細ッそりしていた。それに、柳橋きッての浜中屋の娘というので、気位も高かった。いつも、武家娘のようにきちんとして、横笛を帯の間に挟んでいる。それは、笛吹きの名人だった長五郎の遺物かも知れないと人は云ったが、ほんとは、子どものうちから笛が好きで、彼女の笛は、長五郎以上にもとから上手かったのであった。