Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

毛抜き

一

(また、姉さんの、浮気)

と、叱られそうな気がして、自分の夏帯だの、髪のものを、そっと、持ちだして、よそから工面して来たのである。その金と、男に返す笄とを、帯の間にはさんで、何かしら、無性な楽しさで、駈けてきたところを、しがらきの角で、どんと、胸をぶつけられたのであった。

乳の上が、痛い気がした。しかし、そんなことは、しがらきへ、下駄をぬぐと一緒に忘れて、

「どこですか、お客様」

小女に、訊くと、

「あそこで、お寝っておしまいなさいましたよ」

窓の下を、指さした。

「まあ……」

お蔦は、眼をみはった。

脚を切られた蛸みたいに真っ赤なものが、そこに転がっているのである。

毛抜き

一

毛脛が大の字を書いている。胸は、はだけているし、涎は畳にベットリだ。鼻から提灯を出していないのがまだしもの寝顔であった。

「……しようがないね、どうしてこんなに酔ったのだろう。土肥さん、土肥さん、ええ、焦れったい、土肥さんてばッ」

お蔦は、持てあまして、

「ほかのお客に、見ッともないじゃありませんか。庄次郎さんっ」

耳の穴へ、じかに云うと、

「あ、ふ」

水面へ、浮かび上がったように、庄次郎は手を伸ばした。