Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lisez 松のや露八 (まつのやろはち) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 597 caractères · 253 écrans

Aozora Bunko

三

「藩船のお旗箱が、見えんというて、今夜、春日丸を、長門沖までお見送りするに、差しつかえているのでございます」

「誰だ、威猛高に、喚いておるのは」

「小隊長の宍戸殿で」

「呼べ」

桂が、呼ぶと聞いて、宍戸は、自分の責任を恐れながら入ってきた。

三

「貴公、何をうろたえているっ」

宍戸は、桂の一喝に、顔をはたかれたように、固くなった。そしてすぐ、責任者を糺していること、また、事務に関わった当番兵七名を、お旗箱が出なければ、切腹させるつもり、営倉に糺明させていることなどを、早口に、云いたてて、自分が職責を尽している証言にした。

「何――大事な兵を、七名も、そのために、腹切らせる? 馬鹿も、ほどにさッしゃい。第一、今夜十二字半の出帆に、間にあうか。七名が、腹を切ったら、お旗箱が出るかっ」

「は」

「どこだ、その七名を、糺明してある倉は」

「波止場倉です」

「むしろ、死んだ気で、探させるがいい。いや、なかったら、俺が出してやる」

よほど気色を害したらしい。桂は、立って、雪の中を、草履で、波止場倉の方へ、大股に歩いて行った。

宍戸は、追いかけて来て、彼が再び呶鳴らないうちに、錠を開けようとしたが、錠前に鍵を差しこんだまま、ふと、手を引っこめてしまった。